ランニングにおける着地方法のまとめ
前回は接地時間と負担について解説しました。
接地時間と負担は比例せず、むしろ反比例するとお話しました。
今回は③負担がかかる部位は人によって異なる、について解説したいと思います。
皆さん、着地の仕方によって負担がかかる部位が異なると解釈されているようです。
例えば
・ヒールストライクはふくらはぎやアキレス腱への負担が少ない。
・ミッドフットは膝から上への負担は減少、ふくらはぎやアキレス腱への負担は増大する。
・フォアフットは膝から下の筋肉へのダメージは少ない。
・フォアフットは膝を含め脚への負担は減少、ふくらはぎやアキレス腱への負担は増大する。
など、様々な見解がありました。
結論から言うと、着地の仕方は歩幅(ストライド)と速さ(ピッチ)に依存する。
また負担がかかる部位は着地の仕方ではなく、コントロールする部位によって異なると考えています。
前回お話しましたが、ストライドが大きいほど膝を曲げることで、エネルギー効率が良い(衝撃は少ない)と言えます。
ただ衝撃が少ないとは筋活動は増えていることになります。(①衝撃が少ない=負担が少ない、ではない)
またピッチを上げることで上半身は前方へ傾き、接地時間は減少します。(②接地時間と負担は反比例する)
当たり前ですが、ランニングスピードを上げれば上げるほど、ストライドとピッチは上がり、上半身の前方への傾きが増えます。
ここでポイントなのが、「上半身の前方への傾きをどの部位でコントロールするか」が走行では最も重要と考えています。
100m走もクラウチングスタートから、最終的には上半身の前方への傾きをコントロールして加速期へと移行しています。
上半身の傾きのコントロールが上手い(上半身の姿勢が綺麗)ほど、パフォーマンスは高いと感じています。
ランニングも同様です。
運動学的に上半身の前方への傾きをコントロールするためには、身体の後方部位の筋活動が重要です。
前方へ倒れないように後方部位でバランスをとっています。
後方部位とは、腰・お尻・太もも後面(ハムストリングス)・ふくらはぎ(アキレス腱)となります。
このいずれかの部位を使って、上半身の前方への傾きをコントロールすることになりますが、それは人によって異なります。
その人が強くて、使いやすい筋肉を脳からの指令で無意識に使用しています。
また怪我などで、その部位が使えない場合は他の部位を使用するため、なかなか怪我が治らない症例を数多くみています。
ランニングでの怪我、なかなか治らないなどでお悩みの方はご相談ください。
ランニング外来 60分 ¥9000+tax